夕日の滝の辺で 苔むした標識が 夜の闇に溶けながら 何かを指してる 昼間は見えていたのに 今は読めない文字が きっと大切な場所を 教えているはず 足柄森林公園 木々のざわめきの下 落ち葉が道しるべみたい 迷わぬように今も 誰かが残していった 小さな痕跡たち 瀬戸の滝つぼで 月が描く水紋が 昨日までの私に 手紙を書いてる 読めない言葉の意味を ゆっくり解いてゆく 届かなくても確かに 伝えたいことがある 夜露が光らせる 古びた道標は 私の知らない場所を 静かに示してる それは明日の私の 立ち位置なのかな 山の端に沈んだ 夕陽が残していく まだ見ぬ私あての やさしい標識
