須賀の浜辺に埋まった 去年の花火の色が 砂の中で眠りながら まだ夢を見ている 誰も拾わない思い出が 波に削られながら 不規則な模様を描いて 化石になってゆく 金目川の水面で 夜が溶けだすたびに 虹色の記憶たちが またよみがえるけど 私の心の中も 少しずつ染まってる 総合公園の丘で 風が運ぶ線香花火 誰かの願い事みたい ゆらゆら揺れながら 地図にない航路を進む 小さな光の舟 いつか海に辿り着いて 新しい夢になる 打ち上がらなかった 花火の形をした雲が 夜空を漂いながら 色を探している 私も同じように まだ探している 浜辺に落ちた光が 深い眠りについて 明日の朝には誰かの 宝物になるの
