火星の丘に 立ちながら 失くした海を 想うの 風紋描いた 砂の庭 乾いた記憶 たどってく リズムを刻む フォボスが 影絵のように 通り過ぎ オリンポス山 天空へ 凍てついた雲 すり抜け 古代の流れ 残してく 石になった川 数えてる 蜃気楼みたい 揺らめいて 誰かの足跡 消えていく 朽ちた衛星 まどろんで 赤錆の夢を 見ている 枯れた大地に 残された 時間の痕跡 読み解く 極冠の端で 輝いて 季節を告げる 氷たちよ もう戻れない 昨日から 明日を探す 旅の途中 火星の夜に 佇んで 朽ちた記憶の 欠片たち 砂嵐越しに 見えてくる 新しい朝 待ちながら