脊振山の 裾野から 降りてくる夜 線を引く 九年庵の 竹林で 葉擦れの音が 時を刻む 誰も知らない メロディーを 足音重ねて 奏でてく 姉川の流れ 見つめれば 砂に映った 天の川 すれ違う人の 温もりが 記憶の中で 揺らめいて アスファルトに 染み込んだ 夕暮れ色の インクのよう 重ねた足跡 数えては 消えない痕跡 探している 透明な夜に 溶けていく 私という 色合いが 古い街並み 抜けてゆく 肩で切った 空気には 誰かの吐息 混ざってて 優しく触れて 消えてった この街角に 咲いている 名前のない花 みたいに ただそこにある 存在が 確かな証 残してく