武雄温泉の楼門で 夜の帳(とばり)が 降りる頃 朱色の柱が 溶けてゆく 誰も見てない この時間 私の心も そうやって 少しずつ形を 変えてゆく 図書館通りは 本の匂いが 漂って 誰かの物語 続きから 私が始まる 御船山の庭で 青もみじ越し 覗いてた 月が描いた 水面には 私が映ってる 完成形なんて 求めずに 今のありのまま 受け入れて 光を集めた この瞬間 それだけで いいんだ 鏡山からの夜景は オレンジ色の 点描画 点と点との 間にある 私の未来を 探してる まだ見つからない それもいい それも私の 時間だと 歴史と未来が 交差する スターバックスの テラスでは 古い街並みに 寄り添って 新しい風が吹く この温泉街が 教えてる 源泉のように あるがまま 時を重ねて 変化して それでいいんだって