北茂安駅 ホームでは 行き交う人の シルエット 切符の半分 懐に まだ見ぬ場所へ 連れて行く 降り立つ足は ためらって 時計が刻む メトロノーム 千栗土居の 石垣に 蔦が描いた 暗号は 誰にも読めぬ 手紙みたい 風に揺られて 眠ってる みやき公園 ブランコが 夜風に乗って こだまする 誰かの背中 追いかけた あの日の続き 探してる すり減った靴 履き替えて 歩幅数えた 帰り道 路地裏抜けた 午後七時 コンビニの窓 結露に 指でなぞった 曲がり角 また消えていく 足跡と 半透明の スケッチブック 塗り重ねては 消してゆく まだ描ききれぬ 物語 明日も続きを 描くから