仮屋漁港 波止場から 漁火が織る コンステレーション 瞬く光が 重なって 見えない糸で 繋がれた 夜空の海図 たどれば まだ知らない 私がいて 値賀崎の 灯台が 五秒ごとに 描く詩は 届かないまま 消えていく モールス信号 のように 玄海海上 公園の 古びたベンチ 座り込み 潮風まとう フェリーは 約束みたい 近づいて また遠ざかる オーロラ 見送る度に 色が変わる 防波堤の 先まで 数えながら 歩いてく 波のリズムに 合わせては 綴る言葉 零れ落ち 海鳴りだけが 響いてる 誰もいない この場所で 書きかけの夢 抱きしめて また明日への 扉開く