ネオン滲むコンビニ 片手のピーチソーダ レシートはポケットの底 まだ温度が残ってる 互いに画面を見てたのに 空気だけ 止まってた まばたきひとつ 距離が 少し崩れた 炭酸ぬけてもまだ甘い 言葉はいらなかった 形にしないまま ぬくもりだけ残ってる この夜を瓶に詰めたみたいに 公園のベンチは 濡れてて 缶を置き 立ったまま 夜風に混ざる沈黙が 頬の奥で揺れてた 触れたら 二度と戻れない 冷めたソーダ ゆれる泡 言葉より視線が話してた 今も消えてない 炭酸ぬけてもあの日のまま 呼び方すらなかったけど 形にしなかったことだけ そばにまだ残ってる 胸の奥で 静かに泡立ってる 炭酸ぬけても忘れられない まばたきの数だけ思い出す 名前もつけなかったのに 時だけがあの温度閉じ込めた ふとした瞬間 甘さがよみがえる 短い関係だったはずが なぜか長く感じた
