改札を抜けたあと ふたりの影が揃ってた その半歩分の間に わたしの弱さが残ってた 三度目の待ち合わせ 気づけば視線ばっか探してて なんでもない風の音すら ちょっとだけ胸に刺さってた このままでいいって言えたら 少しは今より楽だったかな ぎこちないままの会話でも 隣にいる それが答えなら ほんとは今日、会うのが怖くて でもそれを言うのがこわくて 歩くリズムを合わせた音が なんかね 涙こらえてた 既読が遅れた画面に 意味なんてないのにざわめき でも返ってきたスタンプの顔に ひと息ついてた、やわらかい空気 全部が見えてるわけじゃない でもぜんぶ隠してるわけでもない たぶん このちぐはぐな正体が 信じられる何かに変わってくみたい このままでいい 君のままで かざらない声が 好きになって タイミングずれても届くよ やわらかいままの言葉で 名前を呼ぶのがまだくすぐったくて でもふと 目があった瞬間に 胸の奥で何かがほどけた 言葉よりも 確かに感じた このままでいい 変わらなくても 不安があっても それごと全部 好きって言ったあとの静けさが なんかね あったかくて救われた すれ違いばっかの昨日たちも 逃げ出しそうになった夜も 君が “ここにいるよ” って言ってくれた それだけで 光が戻ってた
