大通りから 一本それた 明かりの少ない 細い道 他愛もないことで笑ってた 黙った君を 愛しく思った 髪をかき上げた その仕草 目をそらせなくなってた 歩幅が少しずれただけで 気づけば 心が近づいた 少しだけ長くいたくて 遠回りの道を選んだ 言葉がいらないと思えたのは 君といるときだけだった たぶん恋ってこういうこと ふいに「このままでいい」って思う その気持ちが 少し怖くて でも確かに あったんだ 君が急に 立ち止まった 誰もいないベンチの前 「なんでもないよ」って笑った声 なぜか 胸に残ってる くだらない話ばっかでも 君となら 意味が増えてく 見えないものほど残るって あのとき 君が言った 少しだけ長くいたくて 「帰ろうか」が言えなかった その目をただ見てしまって 何か 伝わればって思った 今も胸の奥で光る 名前のない 優しい気持ち 形がないからこそ 本当は 一番大事だった 少しだけ長くいたくて 遠回りの道を選んだ 君がそばにいるだけで 時間の音が 柔らかくなった わざと赤になるタイミングで 信号の前まで歩いた 重なる影が つながって このまま明日になってもいいって 思えた自分に 少し戸惑ってた
