スカーフが踊る 十一月の風 霜に縁取る 街の輪郭 高社山から こぼれ落ちてく 紫がかった 薄明の空 季節外れの セミの残響 記憶の隅に 沈んでゆくの 時刻表から はみ出した夢が 一人歩きの 横で揺れてる 笠原書院 軒下の道 古びた文字が こだまを呼んで 誰かの吐息 硝子越しに 凍りかけてる 白い夕暮れ 小布施線跡 錆びついた夢 枕木数えて 歩いてゆけば 掌の中で ほどけてゆくの 綾取り遊び 指の迷路 髪に絡まる 街角の灯 ピアノの音が 零れ落ちては 虚ろな部屋の カーテン揺らし 明日の形を 探してるの