プリズムの欠片 散りばめた夜に 金木犀の 残り香乗せて 諏訪神社の 境内の隅 蛍火みたい 線香の煙 かすれた歌声 誰のものだろう 北山の端 擦り切れてく 竪琴を奏でる 風の調べに 耳を澄ませば 届くような 尖石の森 コケの匂いに 遠い記憶が 結晶になる 誰も知らない 小径を抜けて 琥珀色した 時を探す アンティークの鏡 曇りガラスに 映る世界は パラレルライン 永明寺前 銀杏の雨 重なり合う 違う季節 手帳の隅に 描いた星図 パステルチョーク 指先濡らし 溶かしかけてる グラデーション 深い闇へと 溶けてゆくの