木曽川の面に 映る明かりと 長良川べりの 灯が重なり 竹鼻町並み 軒下に咲く 二つの川の 夢のよう 不二羽島駅の プラットホームで 行き交う人の 影が消えて 誰も待たない 待合室が 時刻表だけ 抱きしめる 正法寺への 石段の上 青もみじ揺れ 光こぼれ 夜の帳越し 見上げる空 星が数える お経の文 二つの流れに 挟まれながら この街は今日も 漂うように どちらの岸に 寄り添うでも なく佇んで 夢を見る 朝を運ぶ 貨物列車が 闇を切り裂き 通り過ぎる 新しい日は どちらの川を 渡って来るの だろうか