眠りについた街はしめやかに 君を待つ吐息だけ白く上る 首に纏う熱も冷めていく 強がる僕も風に溶けている ばつの悪い歩調で路地を行く 君のまだ知らない所が 少しずつ増えていく 遠くでは奇跡が哀しく鳴いている 振り解くように思い出している 優しい真珠色の風と遊ぶ 冷たいね、寂しがりな君が言う 記憶は遠い冬でまだ残ってる ほら変わらないで 私を愛して、って聴こえる 真夜中にいつも繰り返す 雨が降るようにまた擦り切れていく どんな口許で笑う 哀しげな眼を覗く 僕はまだ知らないね 全て もしも指が触れていれば 言葉を返していれば 今って違っていたの? 哀しい空気だけが朝に待ってる 月冴える 君の影をなぞっている 柔らかな風の色を感じている この街に君がいる気がして 優しい真珠色に染まる街を行く 立ち止まる 咳をする 思い出す 記憶は遠い街でまだ残ってる ほら絶やさないで 優しい真珠色の風と遊ぶ 「冷たいね」 寂しがりな君が言う 記憶は遠い冬でまだ残ってる ほら 変わらないで 私を愛して、って そのあとで笑って 優しく去っていって