熱くなった石を蹴飛ばす度 小さい歩幅 足取りの軽さを知る 囲われる大きな青色も 僕を焦らす赤色さえも どれもこれも味方みたいでさ 今日ならどこへでも行けそうだね 今ならどこへでも 飛んでしまいそうなほど このアイスが溶けないように 生き急ぐ畔道は 落ち着かない蜃気楼と そよ風を成す君が夏を香る 暑くなった石を冷やす度に 小さい背丈 時代の重さを知る リズムが変わる蝉の声 混み始めてた高速道路 花火の後の残骸に 少し秋を香る あのアイスを溶かすほどに いまだ炎天下 終わりとは思えないよ 「ねえ、行かないでってば」 今と同じ鐘の音と アイスの棒を握る君と 「また明日」って投げ捨てて 素直に幕を閉じた幼少の夏