秋芳洞の 入り口で 地底のドアを 叩いては 三億年の 地層たち 一枚一枚 ページめくる 私の足音 吸い込んで 石灰の壁が 笑ってる 大正洞の 深い闇 鍾乳石から したたった 一滴の中 映るのは まだ見ぬ私の カタチだけ 化石の丘に 腰かけて 地球の記憶 数えれば マンモスだって 恐竜も 昨日のことみたく 近くって 今この瞬間 いつの日か 化石になって 残るのか 美東の夜空 見上げては カルスト台地 横切って 星が描いた 方程式 地球の声が 解いている 石灰岩の 迷路から こぼれ落ちてく 時の粒 拾い集めて つないでく 私らしさの 標本へ
