冠山総合公園 水仙の群れが 眠る中 風がこぼした ため息が 白い花びら なぞってく このまま永遠 続けばと 時計を止めた その瞬間 室積海岸 砂の上 波が書き残す 文字列は 誰かの願いを 運んでは 明日へ消えてく 暗号へ 虹ケ浜の松 越えては 雲が千切れた すき間から こぼれ落ちてく 月の粒 ガラスの海に 浮かべては まだ見ぬ季節 探している 答えのない 宝探し 伊藤公記念公園 石垣の隙間 覗けば 大正の風が 残してく 記憶の断片 拾い集め 街灯も消えた 坂道を 肩で夜風を 受け止めて 誰も知らない この場所で 新しい自分 目覚めてく
