鬼石の森で 夜風が奏でる 古い神話の メロディーが 苔むす岩に こだまを残し 緑の闇を 染めてゆく 織山の麓 桑の葉揺れて 絹の記憶を 編んでいる 三名湖では 霧が立ち込め 水面が織る 銀の帯が 揺らめいて 市場通りの 灯りが消えて シャッター越しの 影法師が 昭和の面影 抱き締めては 時を刻んで 踊っている 桑畑越しに 見える星空が 光のモザイク 描き出して 絹織物の 模様のよう 三名湖では 霧が立ち込め 水面が織る 銀の帯が 揺らめいて 織りなされた 夜の帳(とばり)に 想いを染めて 溶かしてく
