重ねて開くみたいに 溶けだす境目から 斑にきらめくのは 新しい季節の報せ 先に待つのはまだ見えないまま 混ざり抱き合いながら 朝露を脚につけて 生まれたての光が 琥珀の瞳を照らす 湿る肌にも折れた枝にも 行方を示すのはそのしなやかな角 何度も続くように祈りを結ぶように 合わせた呼吸の中で答えを求めて 佇む芙蓉の影でもう一度微睡の中 忘れてしまう前に見上げる天の原 いつかは 終わるように離れてしまうように それでも当たり前が続きますように 尾根を辿れば雲を跨げば 見たことのない景色を探して 斑にきらめくのは 新しい季節の報せ