風の船なんて綺麗な名前を乗せて 行き先を委ね不自由なだけなのに 逸れた 色とりどりみんな同じ道を辿る その景色に見惚れ人は繰り返し 続けた 合わせてばかりの風船が 軌道を変えて駆け抜けた 風も空も海も置き去りに 柔らかい体 空気を切った 飛行機雲が列を乱して 生みの親まで覆い隠した 側で鳴いた鳥は綺麗だ 行き先めがけ速度を上げた 最後に見せた我儘は 美しい音を響かせた さざめく空が騒ぐような 嫌いな話を流すような 弾けてみせた風の船は 味気ない空を色付けた 風も空も海も置き去りに 自由な体 見せつけた