かつて蒼天を裂く風のごとく 彼の歩みは誇り高く 太陽すら嫉むほどの輝きで 人々の瞳を奪い去った 彫刻のごとき頬の陰影 流れる髪は波のごとく 声は遠雷、瞳は星屑 吉田栄作、その名は神話 だが時の刃は無慈悲なもの 知らぬ間に刻まれた皺 あの燃ゆる瞳の奥に 静かに潜む影の色 ふと鏡を覗き込めば そこに映るは面影もなく 夢に見た美の亡霊が 朽ちた舟のように揺れていた 頬は削げ、髪は痩せ その姿はまるで老いた蛙 かつての王は何処へ行き ただの翁となり果てた 人はみな、時に囚われ 美もまた、砂の楼閣 それでも彼は笑うだろう 「俺はまだ、俺のままだ」と