湿る壁のコンクリートが 私の鼻を触ったような気がした 落ちる雨の欠片から 溢れた音が耳に響いた 私は何回だって息を止めて 伝わらない言葉を飲み込んだ 私は何回だって息を吸い込んで また伝えられなかった 関係ないことばっかり増えていく 頭がだんだんぼんやり溶けていく 灰色の空に浮かんでいる 雲を貫くほどの衝動を ねえなんで なんで なんで 風に押されすぐに過ぎていくの ねえなんで なんで なんでばかりに 潰されて ねえなんで なんで なんで 君は雨に愛されているの ねえ なんで なんで なんで なんで なんで 古い傘の切れ端で 作ったレインコートに包まれて 落ちる雨のかけらをつなぎ合わせた メロディーが頭を揺らして揺らして ねえなんで なんで なんで 好きなものが全部飛んでいくの ねえなんで なんで なんでばかりに 包まれて ねえなんで なんで なんで 君はあの子に愛されているの ねえ なんで なんで なんで なんで なんで 二人だけの思い出なんて どこにもない どこにもないよ 穴だらけで 雨ざらしの 心 朧 所々に 咲いた紫陽花の花から 香る香る梅雨の匂いが また私の鼻を つかんで離さない ねえなんで なんで なんで 風に押されすぐに過ぎていくの ねえなんで なんで なんで 私が 咲いていく ねえなんで なんで なんで 君は雨に愛されているの ねえ なんで なんで なんで なんで なんで