あなたが卒業してから 色々な恋をしてきました 自分に噓をつき 愛が過ぎると もう心はこなごなでした あの頃ふたりで過ごした アパートをひとりで訪ねてみました 風に揺れている洗濯物の香り 鮮やかに蘇る時間 もう この部屋の ドアをたたくこともないだろう もう ふたりで 夕焼けを見ることもないだろう 忘れることが出来るなら こんな寄り道しなくて済んだのに なにが初めで なにが終わりだったの あの頃 あなたとの毎日は 降り注ぐ陽射しにかざした 指の隙間をこぼれるように 逃げてゆく 愛が 結ばれたはずと 信じているのよ 今でも もう ないだろう 壊れるほど強く抱かれることも でも もう一度だけ 海を見に行きたかった もう この部屋の ドアをたたくこともないだろう もう ふたりで 夕焼けを見ることもないだろう