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天底に座した浮遊鯨が完全に消滅するまでの4つの段階

Track byGyr0

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  • 2025.02.22
  • 2:36
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歌詞

もう動くことのないそれは、 エネルギーとして広く行き渡り、 価値として天に還元される。 天底に座した浮遊鯨が 完全に 消滅するまでの4つの 段階について。 "第1段階 透肉食期" 浮遊鯨の肉は腐食と 同時に透過します。 その存在がなくなるわけではなく、 ただただ光を通すようになるため、 透明に腐るのが特徴です。 透過した肉は 宙角鮫などに捕食されていきます。 視覚では捉えられないそれを、 宙角鮫は嗅覚とロレンチーニ 器官によって見つけ出します。 ただもし異常な電場の空域で 浮遊鯨が座した場合は、 ロレンチーニ器官では座した 浮遊鯨を 見つけることはできません。 コロラドで起きた同様の事例では、 上昇気流によって 辿り着ついた 空気蟹単独でこの段階が 進行されていきました。 "第2段階 骨風蝕期" 肉がなくなり、 一見すると骨だけが 残っていますが、 脂肪などの有機物は 骨片の間に残存しています。 この段階では傾度風によって 運ばれた生命が、 あらゆる有機物を 消滅させていきます。 骨喰風蟲は、 鯨骨の中に根を張り 巡らせることで、 骨の中のタンパク質構造を 緩やかに消化していきます。 他にもヘブンズシェルや天衣海老が 風と共に骨を蝕み、 概ね一年でこの段階は終了します "第3段階 光学変成期" 骨の中の有機物が 嫌暗的に分解されはじめることで、 光化学合成細菌による 鯨骨本体の分解に遷移します。 その分解による特殊な作用として、 鯨骨が、光学的異方性 を持つ事により、 水晶のような複屈折を 起こすようになります。 この段階は100年にも渡り、 その過程でほとんど透明に なってもなお、 鯨骨は土から生まれたものを 衰弱させます。 座してから100年もの間、 空域は特別管制区であり、 解除されることはなく、 その周囲は空乗りから 忌避されています。 "第4段階 残粒乾浄期" もう、鯨骨を、肉眼で、 見ることはなくなり、 ミクロな残粒が崩壊することで、 空はいつもの姿に戻ります。 そこに生物の変遷があったことも、 あらゆる繋がりも、 一つ残さず乾かされて、空間は、 真に無菌的になります。 生物は、物質に、融解し、 物質は、空間に、気化しました。 これが、天底に座した浮遊鯨が 完全に 消滅するまでの4つの段階です。

このアルバムの収録曲

  • 1.天底に座した浮遊鯨が完全に消滅するまでの4つの段階
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