海の深さにおいて、 0m-200mまでの層は表層と 呼ばれており、 海の生物の大半はこの領域に 集中しています。 光は、 電磁波なので海中で急激に減衰する 性質があり、 100m潜水すると光の強度は 1%に下がります。 そのため真光層と呼ばれる、 光合成で生産する酸素量が、 呼吸による消費量を上回る 領域があり、 その中でももっとも適した場所は 海面近くではなく、 水深 100mの光の減衰した 領域になります。 理由として、 光が強すぎると光合成系は 破壊されるため 水面近くではかえって 光合成ができなくなります。 これを光阻害といい、 光合成にもっとも適当な太陽 エネルギーが届く領域が水深 100mとなっています。 よって必然的に植物 プランクトンにとって、 好ましい条件が 揃っているのがこの領域であり、 それを捕食する動物 プランクトンが、 それを捕食する小魚が、 それを捕食する大型の魚類が、 それを捕食する人間達が 表層に集まっていきます。 先ほど光は海中で減衰すると 話しましたが、 疎密波である音は遠くまで 伝達することが 可能になっています。 海の中では、 どんな音が聞こえるのでしょうか。 カチカチと聞こえたら、 それは蟹がハサミを 鳴らしているかもしれません。 パチパチと聞こえたら、 それは波に揺られた 砂の音かもしれません。 周りで聴こえる音に、そっと、 耳を澄ませてはいかがでしょうか。 海の生物は様々な 法則に従っており、 一例として生物の大きさは数と シンプルな比例関係にあります。 オキアミはマグロの 10億分の1のサイズですが個体数は 10億倍いると言われており、 この比率は シェルドンスペクトラムと 呼ばれています。 海中で音が伝わる速度は水温や 塩分、 圧力によって変化し、 それらの数値が大きくなると伝わる 速度も上がります。 地球上の酸素のおよそ 50〜80%は海から発生しています。 海の水は、 単に運動しているだけでなく、 熱や物質を運び、 地球環境に影響を与えます。 似たような水温や塩分濃度、 溶存酸素や栄養塩の値をもった 海水を「水塊」と呼び、 その分布を通じて水塊の形成、 変質を調べる手法を 水塊分析といいます。 異なる水塊の境目である「潮目」 は水温や塩分濃度の異なる海水が、 すぐに混ざり合わないため発生する 現象です。 潮目には浮遊物が 一列に連なったり、 二色の海が 交わらずに隣あったりと、 不思議な現象を 起こすことがあります。 次の層は 200から1000m の中深層になります。 光合成はできなくなるので、 済ませるなら今のうちですよ。