言葉は人になれない 料理がゆっくり冷めていく 水滴を指で伸ばして 待ち惚けの夕陽 子供の歌が聞こえる 料理がゆっくり冷めていく 頬杖ついて一人言 見守って、夕陽さん 歩道橋から見下ろした 行き交うため息 嫌なことを書き出せば A3ぐらいすぐに埋まるよ 帰る時間には足早に 眠り草、綻んで イヤホンから漏れた MVみたいになった街 言葉は人になれない 料理がゆっくり冷めていく 水滴を指で伸ばして 待ち惚けの夕陽 ころり、箸が転げて 料理がゆっくり冷めていく ささくればかりが目につく 見守って、夕陽さん ドアを閉めて これで、誰も入れないね 笑った顔も怒った日々も 火にかけて一緒くた 塩味でごまかそっか 言葉にすればするほど 脳裏がゆっくり覚めていく 伸ばした水滴は消えて 待ち侘びた夜を 明日の予定を書き留める 湯気が灯りに溶けていく 喉が渇いた気がする 暗がり慈しみ いくら時間が経っても 何度数え直しても 掛け違えたボタン 服が汚れたでしょう お腹が減ったでしょう 匂いに誘われて 今日を忘れていった 料理がゆっくり冷めていく 料理がゆっくり冷めていく 料理がゆっくり冷めていく 言葉は人になれない 料理がゆっくり冷めていく 料理がゆっくり冷めていく どうしてあっさり慣れていく 言葉は人になれない