唇が乾いている 曇り空が重たくて 缶コーヒーを買った 静かな花の傍ら 足りない、足りない 目に映る人波 もっと僕は取り残されたい もっと僕は取り残されたい かじかみ、かじかみ 手の甲さすって もっと明日は遠くていい もっと明日は寒くていいよ 糸の切れ端を食む どこに行くでもなく つま先で叩く 降り積もるよ 降り積もるよ 冬の余命 冬を呼ぶよ 冬を呼ぶよ 首元から入る風が 骨を伝いながら袖へ抜けて落ちて 思い出してしまったことも 土になってしまえ 降り積もるよ 降り積もるよ 冬の余命 冬を呼ぶよ 嘘を呑む様 要らない、欲しくない 嫌な夢ばっか見て息してる 手を握っていた 口ずさんでいた どうしようもない どうしようもないぐらいに 生きている気がする 降り積もるよ 冬の余命 終わりが来るの 助かれみんな 一人の振りで 孤独の真似で 降り積もっていく 冬の余命 枯れていく内臓 泣ける気はしないよ 髪を掻きながらほんの少し 思い出すよ、昔 みんな冬の光景になって 萎んでいく蕾が 逃げるしかないよ 髪を掻きながらほんの少し 思い出すよ、海を みんな冬の光景になって