「ねぇ先生、 本当にここって重要って 言えるんでしょうか。」 蛍光のアンダーラインが 妙にギラつき ブレる 「参考書では、 さらっと書いてただけなので。」 滲む汗は僕由来?夏由来? 続いてく道に吹く風 何故か敵みたいに感じていたのは 僕の真ん中の柔さと危うさ 先人に敷かれたレールを 振り切って 飛ばされるより いっそ高く 風をつかもうと 急ぐ僕の棘が擦れて ぶつかり合って 傷付けて 繰り返して つかまえて 振り向けばほら すり抜けた風も追い風になるさ 「じゃあ先生、 お困りごとはひとつもないでしょう か。」 「大人になったら困るよって 言うなら きっと模範的でしょうね。」 現状打破の解と 失敗のない未来をもっと見たいよ 鳥に生まれたらきっと 僕もひとりきりで飛べた? 誰の牽制もなく 自由だけを求めて 風をつかめずに 泣く僕を 励ます声 差し伸べる手も知っている 逆らったって無意味だと 心のどこか 隙間風が吹くたびに気付いてた だけど宛てもなく進む足は ボタンブレーキみたいに 急に止まれない 走り続け 疲れたら 歩けばいい 目の前 小さな世界から変えればいい 高い空に 白い入道雲 手を伸ばしても触れない つかめない 笑う化石のような教室を 抜け出すのは 僕次第だから 飛ぶよ 風をつかめたら… なんて まだ遠い先のように 語る夢追い人 尖る口をこの足が追い越したなら 止まってた針も動き出すはずさ 風をつかもうと 急ぐ僕の棘が擦れて ぶつかり合って 傷付けて 気付いた時 溢れ出す汗や涙 つかまえた風が攫ってゆくから