陽射しが滲む 八月の暮れ 夕立ち 湿るアスファルト 匂い立つ夏草が 記憶の中 面影を探していた 予報では午後からも晴れだったな 途方に暮れたふりで歩く 夕焼けが眩しいのも束の間 帷を急ぐ空だったな 少しだけ懐かしくて 立ち尽くしたまま 胸を焦がしそうだった 思い出なんて幻だった 直にもう日が暮れる 最後の夕暮れは 夏に消えた残像 なんとなく 夕立で視界が滲んだせい 夕焼け通りは街燈の灯が一つ、 一つと 街の中に影法師が一つ、一つと 誰もいなくなってしまったな 少しだけ懐かしくて 胸を焦がしている、何故 駆け出しても日が暮れる 最後の夕暮れは 夏に消えた残像 なんとなく 夕立で視界が滲んだせい 夕立はまだ鳴り止まない