心の四隅に隈なく仕掛けた 監視カメラの映像を 今警備室で眺めている 彼の心は一体誰のもの? もう街に答えはない ただ犇く智慧の墓標達がほら 徒に日の光を遮っているんだ 臀部に空いた穴を絞ってみると カップ麺の仕上げに 入れる油の臭いがした このまま朽ちていくだろう 鏡で見ても気づかないぐらいの 這う蛞蝓のスピードで ふと鏡越しに僕と目が合い スイッチに手をやる おいやめろと叫んで目が覚める 冷え切った真水 常温のヘドロ どっちに飛び込んだとしたって きっと最後には跡形もなく 溺れてしまうだけ 痛みを鎮める効用があるなら 毒でも薬だって構わないさ 早く寄越せよ狂いそうだ この車両には僕一人だけ 夕焼けが伸びて 壊れたメーターのように揺れる 世界は素晴らしい! 高らかなるパレード 今更一度逸れた行進に どんな面して混じればいい? ふと鏡越しに僕と目が合い スイッチに手をやる もういいよと笑って目を閉じる