缶コーヒー 間違えて 熱い方を買ってしまって これも乙なもんさと笑う 僕の強がりを笑って 慰められてしまうと 余計に泣きたくなるから 眠り続ける街並みを あと少し眺めていたい カーステレオから流れた いつかの最後のメロディ 「間違いか正解かなんて 死んだ後も判りゃしないさ」 環状線 ねえ今だけ 涙腺の不如意を許して 懐かしむ度流すそれも 悪くはないけれど 「ビビんなよ?」って笑って 君は左手で警告色のボタンを押す 夜間飛行 モードへのトランスフォーム ベルト締め直し君が言う 「今からあの空を飛ぼうぜ、 現実なんて離陸して。」 写真に映らない 季節を僕らは 必死で駆け抜けていく 最期の日が来ても 今日の事を 君を忘れない 調子づいた君がにやりと笑って 目一杯にアクセルを踏む サイドミラーはもう灼け 落ちてしまった 機体にも火が移ってる それでも僕ら叫んだんだ 「もっと高く、いけ、いけ!」って 大気圏の向こうを照らす いつか誰かが 落とした夢の粒を 拾い集めにゆこう 君にあげるよ だから泣かないで 写真に映らない 季節を僕らは 必死で駆け抜けていく この夜が終わっても きっと僕らは 何処へでも行ける