髭剃り途中で バッテリー切れて 半分だけ 髭が残ってた スマホ忘れて 電車に乗った 景色がやけに あたたかかった 眼鏡を探して 見回す僕に 頭の上で 光るレンズ しょうもないけど 笑えてきて 今日も生きてる 印になる 地球は回る 回り続ける 涙も笑いも 包み込みながら 小さな奇跡を 信じていたい 青い星の上で ドイツの街で 消えた人々 七つの声が 風に溶けた ロシアとウクライナ 炎の大地 遠い海では 関税の壁 同僚が急に いなくなった日 残ったコーヒー まだあたたかい Xにのる 赤ん坊の声 始まりの歌 響いていた 地球は回る 回り続ける 別れも巡りも 包み込みながら 儚い奇跡を 信じていたい この星の上で 机の上に 残されたコーヒー もう戻らぬ 同僚の笑顔 Xには 赤ん坊の産声が 光のように 流れてくる 誕生日を祝う 小さなメッセージ 画面の光が 胸を濡らす 離婚して独りの 部屋にいても 時計の針は 未来を刻む ビッグバンの残響が この胸の奥で いまも響く 多元宇宙を 夢に見ても 足はここにある そしてまた 朝が来る 青い星の上で ひとつの物語が 続いてゆく
