春へのびる 枯れた木と君の影 どこへ逃げる 晴れた日と君のおもかげ まだ咲かない 桜は何もない自分のようだ まだ咲かない 桜は理由のない希望のように 惑う心の軸となって どんな時でも一人じゃなくて 過去も僕を導く 花弁さ シャワーで手肌流す 記憶は洗われない 枝と枝の隙間から 懐こい蕾を空に放つ 記憶は洗われない 記憶は洗われない 彼女は短い髪を撫でた 少しだけ甘い匂いがした それから私は笑いかけて 少しだけ溶けた心だった 昨日のように思い出せる ただ、彼女は消えたんだ まだ、散らかった心だった 指先のばして 腕で空を切る 病室から見た 私はどうだった? 桜の通りから がんばれと手を振った 手のひらは月日が 経っても変わらず見えた 桜の通りから がんばれと手を振った 彼女には未来が 無くても変わらず見えた 走り去った思い出の残り香を 嗅いでいる 先に発った彼女は 短い髪を撫でた 走り出した思い出の残り香を 嗅いでいる 桜の通りから 理由のない希望がこぼれた 走り去った思い出の残り香を 嗅いでいる 瞳の中彼女は 短い髪を撫でた 走り出した思い出の残り香を 嗅いでいる 桜の通りから 果てのない涙がこぼれた
