怖い夢を見ました 少し歳をとった私 名前も知らない誰かと どこかで暮らしていました 不都合などないだろう 満ち足りた平穏の中 そういった幸せの形 それが何よりも怖いのです 探してる 探してる 心の奥が じりじり焦がれるような 本当の恋を 酷い人と言われました 日が落ちた夜の街で 街灯に身を預けては 一晩を共にしました 次の日は次の誰かと 経験を重ねて行く度 満たされて行くはずなのに 喉は乾いたままなのです 寂しいと思いました 冷え切った部屋の中で 色落ちた髪をとかしては 眠るだけの毎日です 震える体を腕に抱き 満ちた湯船につかり 水面に写った顔を 憎いと思ってしまうのです 探してる 探してる 心の奥が じりじり焦がれるような 大切な貴方を ふと目が覚めて気づきました 長々と彷徨った私 夢見る少女のままでした なんて寂しい夢なのでしょう