今しか言えないこと 迷って流れた時間 意味なんかいらないんだと 疎かにした形 春はすぐそこまできてるのに 僕は凍ったままの心を 悴んだ手でそっと抱きしめている 不器用なままで 君しか知らないこと 漠然とした不安 息づく暇もないような 波と砂の隙間 明日は幾通りもあるのに 僕は止まったままの時計を 疑いもなくずっと外さずにいる 傷付かぬように 透明になっていく 透明になっていく 透明になっていく 透明になっていく 例えば消えない痣 或いは無視した怒り 街行く人にないものと ばかり思い込んだ 窓はいつも開けたままなのに 僕は沈んだままの気分で 剥き出しのままの過去と 見つめ合っている 分かり合えないのに 透明になっていく (微睡む貴方の寝顔も) 透明になっていく (安らぐ貴方の香りも) 透明になっていく (震える貴方の叫びも) 透明になっていく