大切な人が次々 この腕をすり抜けていくから 暮れていく街に楯突く これ以上歩けないと 膝まで埋もれている 流砂の上に夜はせまる 遥かな月の光を吸い込み 身体じゅうめぐる涙を照らして 壊れそうな卵を抱きしめた 明日があるさと眠ろう からたちの花のような風車 思い出をかき混ぜてしまった ガイコツが道を尋ねる どうせなら共に行こう どれだけ薪をくべても 先の見えない日々のなかで まどろむ不安を寝かしつけて 孤独の証しを燃やし尽くして 名も知らぬ卵を温めた 叶わぬ願いを託して 遥かな月の光を吸い込み 身体じゅうめぐる涙を照らして 揺れ動く卵を抱きしめた 埋もれた両足引き剥がし もう一度ここから始めよう