あの空は空蝉か 何故雲を隠すのか 夕立のにおい忘れたよ 八月は気まぐれか 神様の戯れか こだまする陽射しのロンドは あてもなく時をくれただろ? 流線型の雫には 逆さまの海がこぼれ落ちている様 まだ君は夢の中 陽射しから逃げていただけ 果てまで 君を待っている 流線型の雫には 逆さまの海が こぼれ落ちて奪っていくんだね ラムネの中の碧い月 うだる暑さだけ残して沈んでいけ 余りある空は正夢か 怠惰の味を噛みしめて お互いにただ 恥じらいながら 現を忘れて 深い蒼染まる楽園は 妖精たちがじゃれている 擦りむきながら 広がった世界 日々は淡く早く溶けてゆく 夏の暑さは郷愁を 夏の涼しさは焦燥を 蝉が鳴いたのは終わりを 知っていたから 僕はどうかな 僕はどうかな