Track by28号
振子坂を下って胸が痛んだ 夏草に縋るアブクを 横目に行かなくては 朝も夜も無くなるまで 骨を軋ませる 昔見た八月に触れる頃に 辺りは暗がりを回る 手放したはずの霞 ひこうき雲まだ繋いで 下がっていった僕はどうしても 広告葬に間に合わなくては 辺りは暗がりを 回ったばかりじゃないか 呼びかけたまま 揺れる影の中 閉じ込められている 思い出の檻から抜け出せよ 当たり前過ぎただけなんだ 或いは高密度のオレンジとすれ違う 広告葬の煙に巻かれないでよ 辺りが暗がりを回るより 何度でも速く