形無いモノほど、心に残る。 噛みしめては、流し込んだ 胸の奥へ。 終わりを告げた 僕はおぼろげに、 別れを告げた 君に尋ねる。 今 遥か 遠く、遠く、遠くの日に、 『僕ら』確かに居たこと。 そして、遠く、遠く、遠くの地で、 明日を見たこと。 ほこり舞う部屋の中、 最後の会話は、いつもより もの足りなくて。 終わりを告げる 迫る電子音。 目の前の君、 まだそこに居る。 今 淡く 閉じる、閉じる、閉じる、その目。 映す 最後の景色は、 白く、呑まれ、呑まれ、 呑まれ消える。 黒の中へと。 流れる 記憶は散ってゆく。 だからこそ、綺麗だ。 一つ、そして一つずつと声が、 消えて 僕は全て知る。 そして沈む、沈む、沈む中で 想いを託す。 さあ先へ。 生きて、生きて、生きて君は。 僕にいつか出来たこと。 そして、遠く、遠く、遠くの地で 明日を重ねよう 形無いモノほど 心に残るから。