空が鳴る あの街は追いつけずともそこにある 伸びている影ぼうし 僕を追いかける 今日の日も 行く宛もなく彷徨っていた 少年はそう 茹だるような寂しさだけを 覚えたままで 感覚は鋭角にして 錯覚は振り切って 網膜に刻むのさ 鮮やかで曖昧で 未熟な苛立ち 空が鳴る あの夏は忘られぬままそこにある 僕が行くこの道 西陽が照らす 今日の日も 石ころ蹴飛ばして一人呟いた もう俯くことには疲れた 明日はどこにあるんだ? 悴んだてのひらで 失望を握りしめ 勇敢に進むのさ 僕はまだ あの日のまま 未熟な苛立ち 空が鳴る あの街は追いつけずともそこにある 伸びている影ぼうし 僕を追いかける 今日の日も 跨る自転車 蹴り出す彼方 怯えたままの 明日を探して 汚れていくほど 変わらないもの 抱き寄せるのは 未熟な苛立ち