つながれてた 糸が切れて 一人だけになると 支えていたものが 取れて 誰の顔も おぼえられず それは 小さな 小さな 小さな事 何も変わるところがない あきらめてしまえることは 深いところへ埋めて 誰かのために 生きるなら うまく やれるかも しれない それは 小さな 小さな 小さな事 うまく いかなくなればいい 胸に浮べた 黒い舟が 波打際へ 乗り上げる 気が付いたら 眠っていた そのまま どこまでも 眼がさめたら 生きていると 言えるしるしも無くて 過不足のない いのちよりも えらくなれる 予感もない とても 小さな 小さな 小さな花 ひとつかみに ひろがる強さ それは 小さな 小さな 小さな花 終りをかざる 道の端 先送りに されたものが しだいに 意志を持って 切りはなされた 糸を結び また つながれてゆく