山ふところの 小さな駅に ふらり降りたら 夜明けを待とう あてもないのに 枕木踏んで 線路づたいにモヤかき分ける 見知らぬ人の会釈を受けて とまどいながらもなごんでしまう ほんとの色を取り戻せない 紫色はぼくの 心のようだ ふるさとでもないのに ふるさとでもないのに こみ上げて来るのはなんだろう 遥か連なる山はむらさき いく筋も昇る モミ焼く煙 逃げてここまで来たわけじゃない 理由などいらない 旅がしたくて 手ごたえのないあの毎日は なんだったのかよくわからない ここでこうして いることだけで 心のつかえを流せるだろうか ふるさとでもないのに ふるさとでもないのに こみ上げて来るのはなんだろう