町の地下には血が脈々と 行く末は白くけたたましい海か、 あ…… マンホールは瘡蓋だと悟る 十三だった夜中に 俺は拐われるかもしれない お前は拐い手にまわるのさ さっき俺の目の前に現れたのは 夕べに涯てたはずのお前の家の犬さ 「どうしたら美しく在れたろう」 散り散りの駐輪場に凪ぐお山の大将 やがて 遠吠えになっちまうんだろう…… まったく、どうしたら良い…… 平らな顔に吐いたままの血 鹿嶋7-2 涙は青い体液…… 体液…… 「まともな奴をよこしな……。 手続きが文化を作るの、 手続きが……」 ……とか、 ちっぽけなことを 言うんじゃないよ! 俺はじきに大きくなる! もうじき頭角を現すはず! 恋がしたい ぬくい果実をついばむ 鳥たちのように 巨大な影を落とし横切る恋がしたい そう、コンゴーの鳥のように…… でも、もうどうでもいいんです 私たちは終わりました 船はゆっくりと 俺はそぞろに すきま風はさらりと あの方を追うのかしら…… とにかく忙しない人々の往来をかき 分けて流れるはお前の歌さ…… 俺の全てを歌うお前の声さ…… お前が生きていることが 俺のような 人間たちの命の鮮やかさを 奪っているんだよ