「ある朝、目が覚めると、 彼はどこにもいなかった。」 肌色の水面が暗闇を照らす朝 壁画となった 騒音の街を抜け彷徨った 今日も雨降る砂漠を歩こう 一歩ずつ俯いて 待ち望んだ懐かしい 日々のはずなのに まるでありきたりな 映画の中にいるようだ 脚本通りにシナリオを進めてく 絶望に浸かりながら 結局僕も朱に交わって 曖昧な味のジュースになった 寂しさが怖かった 多くのことを忘れていった 先生にあの日言われて 涙をつくったことも 全部 夢を見たんだ 薄暗い地下の物置部屋で 「何を失くした?」って 錆びた鏡に問いかけた 鏡が映す暗闇で誰かの手が床を指す 鍵がかかったままの 鳥籠が落ちていた 結局僕も僕を無視して 生き続けられる程 器用じゃないと気付いてしまった 多くのことから目覚めていく 涙の成分も今はっきりと思い出して そしてまた肌色の朝だ 「何を失くした?」と呟く 台詞が違うのはわかってる だけど物語を進めようとした