街がまたイルミネーションで やけに“愛してる”が溢れてる SNSのハートの数で 幸せを測る冬 カフェの窓、カップルの影 見てないふりして笑ってる 寂しさを埋めるために 名前だけ呼び合ってる どうせ春になりゃ 消えるくせに 「運命」なんてよく言えるね この季節に恋してるやつらは みんな寒さに負けただけ 本気じゃない愛を抱きしめて あったかいフリしてる 一人でいることが怖いだけ 誰かじゃなくて“誰でも”でいい それを恋と呼ぶなら 笑えてくるよな プレゼントの袋をぶら下げて “私だけを見て”と願う夜 照明が消えた瞬間に 心まで冷えていく 友達の報告が流れて 「いいな」なんて思ってる でも羨ましいのは恋じゃなく 誰かに必要とされてること 寂しさの形に名前をつけて 安心してるだけだろ この季節に恋してるやつらは 孤独の言い訳が上手いだけ 本音を隠したぬくもりで 満たされてる気になってる 一瞬の温もりで凍える心 溶けるほどにまた寒くなる それを愛と呼ぶなら 僕は結構です 誰かを欲しがるより 自分を抱きしめてみろよ 寂しさを言い訳に 愛を使い捨てにすんな この季節に恋してるやつらは 孤独の広告塔みたいだ 幸せそうに見せるほど 悲しくなっていく 僕はまだひとりでいい ちゃんと人を愛せるまでは 流されるくらいなら 凍えてた方がマシだ ──冬が終われば、嘘も溶ける。
