凩で顔を洗って 今朝、寝過ごした その眼を覚ましていた 靴紐は固く結んでいる 凍て付く風に解けぬように 君の想像が 溢る衝動で 脈を打ち始め 瞬間 射し込む光の渦に眼が眩んだ 有り余る時が 一瞬で 今を越えようが 歌って 踏み込んでいた 未だ 無造作に置かれた無題の 物語の中でさえ息を殺して来た 幻が騒めく 鬱陶しい夏に焦がれ 今もそう 図書室の隅では ずっと武装した憂いが 夕闇に包まって 寝息に吹かれ、揺れる 君の存在が 有り触れて そんな待ち惚けの中 死して 尚、不細工な日々を手繰り寄せてる 声変わりをした少年、 銀の風を吸って吐く 夏の終わりを 遠く南に 見切ったようだ 放課後の隅では 無題の武装した憂いが 移り気な季節の 街並みを疎ましく 有り余る日々の一瞬を偲んで 君の想像が 溢る衝動で 脈を打ち始め その瞬間 射し込む光の渦に芽が弾けた 声変わりをした少年 銀の風に解けて 歌った