ぐらり抱えきれぬまま だらだら歩く鉛色の街 気にも止めぬまま ゆらゆら揺れる蜃気楼 なぜか忘れていたあの映画と 不意に耳をよぎる昔の声 手を引かれ進んだお化け屋敷 ぽつりふと我にかえる あれから変わる空も街並みも背中も 目に映るもの全て錆びる それでもただ幻想と秘密の中で 抱えるよ まだできるよ 影と歩いてた歩幅を揃え 1人だけの道 何か示すようにチカチカ光る 常夜灯 通り沿いの音で気づいたのは 見てくれもしないで進む全て まだ言えてもいない隠し事で 君とまだ絡まったまま どれだけの日を懸命に結び直して 綻ぶことを恐れ疎む 君からまだあの返事もらえてないよ 気づいてよ ただ響くよ 踏み外して帰れない迷子 見えなくても探し出すから 丸み帯びた指先でも確かに 引っ掻く 潰した日を懸命に結び直して 綻ぶことも忘れ握る 忙しのないこの街に瞳を向けて 抱えるよ まだできるよ