君の服や靴も帽子も鞄もリュックも 化粧品も美容家電も此処から 無くなって 僅かながら空いた スペースに寂しさを感じちゃって うずくまるよ そしてふと目についた物は テーブルの下の籠にあった 君の忘れ物が お風呂上がりに塗ってた アロエのジェル? これが何の役割を担うものなのかは 知らない でも君が毎日使ってたし きっと出来る子なんだろう なんかずっと苦手だったなぁ アロエの香りは そう思いながらキャップを開けて 嗅いでみた やっぱり苦手なものは 苦手なまま変わらないけど 今は少しだけ悲しい匂いにも感じる 忘れ物があるよって 連絡するほどのものでもない でも今すぐ捨てるのも忍びない 小賢しい言い訳ばかりさ 君を消しきる勇気もない 君を愛してた 苦手なこの香りも込みでね これから先も君はね このアロエのジェル的なやつを 使うのだろうか? 僕の知らない誰かの前で 君と僕の生活の取るに 足りないエピソードさ 苦手だけれど愛しい残り香