蝉時雨にかき消されて 誰にも聞かれない愛を落とした 足首まで陽炎に埋もれ あなたの影に、踏まれたまま 水面みたいなまなざしで わたしを照らしてくれたけど 手を伸ばせば濡れるだけ それでも溺れていたいと思った 真夏の影に隠れて 蝉は、何も言わずに終わる あなたを見つめていた時間も 何も知らずに、終わっていたの 周りが愛を叫ぶ中、 私だけがポトリと道端に堕ちる 熱に浮かされたまま 嘘も愛も、見分けがつかない 呼吸だけで、近づく距離に 名前のないまま、わたしがいた 心って目に見えないのに どうしてここまで苦しくなるの 嘘ならせめて優しくして 本当はもっと愛されたい 真夏の影に隠れて 蝉は、何も言わずに終わる あなたを見つめていた時間も 何も知らずに 終わっていたの 周りが愛を叫ぶ中 私だけがポトリと道端に堕ちる