耳を刺す声がまた 擦り切れた追憶を引き連れてくる 容赦なく移る季節に 愚かさを見透かされぬ様に笑った 重ねた月日はまるで 積み上がったあの入道雲の様で 不安定さに蓋をしたまま 僕らはそれを「幸せ」と呼んだ きっと疾うに終わっていた 深くまで潜って潜って その心に触れた あの夜が僕の後ろ髪を引く 不確かな明日を嫌って 目を背けたんだ僕は 濡れた窓に映り込んだ低迷 この街の景色や匂いの その全てが僕を責め立てる様だ もういっそ降り続く雨に 全て流されて仕舞えばいいのに 深くまで潜って潜って その心に触れた あの夜が僕の後ろ髪を引く 不確かな明日を嫌って 目を背けたんだ僕は 濡れた瞳に気付かないまま 逃げる様に歩いて歩いて ここまで来てしまった あの夜が僕の後ろ髪を引く もう一度潜って潜って 触れたいと願ってしまう 時間はもう巻き戻せないのに